
工場建設を検討中の企業担当者の方にとって、「建物本体の費用」だけでなく「土地取得費用を含めた総額」は、非常に重要な判断材料です。
建設費用と土地代、外構や設備関連費用を合わせると、想定以上のコストがかかるケースも少なくありません。
この記事では、土地代を含めた工場建設の総費用の内訳をわかりやすく整理し、構造別・地域別の相場感とコストを抑えるための考え方を紹介します。
1. 工場建設の総費用=「土地代」+「本体工事費」+「付帯費用」
工場建設にかかる費用は、大きく以下の3つに分類できます。
| 費用項目 | 内容 | 目安割合 |
|---|---|---|
| 土地代 | 用地購入・仲介手数料・登記費など | 全体の20〜40% |
| 本体工事費 | 建屋本体(構造・内装・屋根・外壁など) | 全体の50〜60% |
| 付帯・外構費用 | 駐車場・フェンス・電気・給排水・造成など | 全体の10〜20% |
✅例:延床面積1,000㎡(約300坪)の鉄骨造工場を建設する場合
→ 総費用の目安:1.8〜3億円程度
2. 土地代の相場はどれくらい?地域による差に注意
土地代は地域によって大きく異なります。
| 地域 | 工業系用途地域の坪単価(目安) |
|---|---|
| 愛知県西三河エリア | 約15〜25万円/坪 |
| 関東郊外(茨城・栃木など) | 約5〜12万円/坪 |
| 九州北部(福岡・佐賀) | 約3〜8万円/坪 |
| 東北地方(郊外) | 約2〜5万円/坪 |
⏩300坪の土地を購入する場合
→ 600万円〜7,500万円まで大きく変動
地価の高さ=利便性の高さとは限らず、インフラ整備状況・補助金対象地域かどうかも含めて検討する必要があります。
3. 建屋の構造で変わる「本体工事費」
建屋の構造によって、坪単価には以下のような違いがあります。
| 構造 | 坪単価(目安) |
|---|---|
| 鉄骨造(S造) | 約50〜80万円/坪 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 約80〜120万円/坪 |
| プレハブ・簡易建屋 | 約30〜50万円/坪 |
⏩延床300坪の鉄骨造なら、本体工事費は1.5〜2.4億円程度が目安です。
4. 見落としがちな「外構・インフラ費用」に要注意
工場では、以下の付帯工事にかかるコストも軽視できません。
駐車場・トラックヤードの舗装
地盤改良工事
電気・ガス・上下水の引き込み
外構(フェンス・門扉・植栽など)
これらで500〜2,000万円以上かかることも珍しくありません。
また、給排水や電力の引き込み距離が長い土地では、インフラ整備費が膨らむリスクもあるため、土地購入時点での調査が不可欠です。
5. 総費用を抑えるための3つのポイント
① 造成済みの工業団地を選ぶ
→ 初期造成費・上下水・道路幅が整っているため費用減
② インフラの整った地域を選定
→ 電柱・引き込み距離・ガス管なども事前チェック
③ 補助金・優遇制度を活用
→ 地方自治体による「企業誘致補助金」「設備投資補助金」あり
総費用は早期に全体像を掴むことが重要
工場建設の総費用は、「建物の値段」だけでは決まりません。
土地代+外構+インフラ+設計費などをすべて含めた総額を把握することで、無理のない予算計画が可能になります。
工場建設の初期段階では、必ず「土地取得+建屋+付帯費用」まで含めて資金計画を立てましょう。
ご希望の地域や条件に応じて、概算費用のご相談も承っております。
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