【工場建設】DB方式(設計施工一括方式)とは?採用前に知るべきポイント

工場建設を計画する際、発注方式の選択はプロジェクト全体の進め方に大きく影響します。一般的な建設プロジェクトでは、設計と施工を別々の会社に発注する「設計・施工分離方式」が広く採用されていますが、近年では 設計施工一括発注方式(Design-Build方式、DB方式)を採用するケースも増えています。

特に工場や物流施設などでは、スピードやコスト管理を重視するプロジェクトが多いため、DB方式の特徴を理解しておくことは重要です。本記事では、設計施工一括発注方式の基本的な仕組みと、メリット・注意点について整理します。

設計施工一括発注方式(DB方式)とは

設計施工一括発注方式とは、設計業務と施工業務を一つの事業者(または共同体)にまとめて発注する方式を指します。

通常の建設プロジェクトでは、まず設計事務所に設計業務を依頼し、その後に施工会社を選定して工事を進める流れが一般的です。これを「設計・施工分離方式」と呼びます。

一方、DB方式では、発注者が要求条件(性能や規模など)を提示し、それを満たす設計と施工を一体で提案・実施する体制となります。設計と施工が同一の事業者によって進められるため、設計段階と施工段階の連携が取りやすいことが特徴です。

設計施工分離方式との違い

発注方式の違いは、プロジェクトの進め方にも影響します。主な違いを整理すると次のとおりです。

項目設計施工分離方式設計施工一括方式(DB方式)
設計設計事務所施工会社または共同体
施工施工会社同一事業者
契約設計契約+工事契約一括契約
発注者の関与比較的多い比較的少ない
工程設計後に施工設計と施工を連携

このように、DB方式では設計と施工を一体的に進めることが大きな特徴です。

DB方式の主なメリット

1. 工期短縮が期待できる

設計と施工を一体で進めるため、設計完了を待たずに施工準備を進めることが可能になる場合があります。工程の重複を活用することで、プロジェクト全体のスケジュールを短縮できるケースがあります。

特に工場建設では、早期稼働が事業計画に直結するため、工期短縮は重要な要素となります。

2. コスト調整がしやすい

設計と施工が同一チームで進められるため、設計段階で施工方法や材料選定を考慮したコスト調整が行われやすくなります。施工会社のノウハウを設計段階から反映できることは、コスト管理の面で一定のメリットがあります。

3. 責任範囲が明確

設計と施工が別会社の場合、設計内容と施工内容の責任区分が問題になることがあります。一方、DB方式では基本的に一つの事業者が責任主体となるため、責任範囲が比較的明確になります。

DB方式を採用する際の注意点

一方で、DB方式には注意すべき点もあります。

まず、設計内容の検証が十分に行われないまま進むと、発注者の要求が設計に十分反映されない可能性があります。発注者側で要求条件を明確に整理しておくことが重要です。

また、設計と施工が一体で進むため、コストの透明性や比較検討が難しくなる場合があります。そのため、発注前に性能要求や条件整理をしっかり行うことが必要になります。

工場建設でDB方式が採用されるケース

DB方式はすべての建設プロジェクトに適しているわけではありませんが、次のような条件では採用されるケースがあります。

  • 工期短縮が重要なプロジェクト

  • 設備条件が複雑な工場

  • 施工ノウハウを設計に反映したい場合

  • 発注者側の管理負担を減らしたい場合

工場建設では設備や生産ラインとの関係が重要になるため、設計と施工の連携が求められる場面が多くあります。そのため、DB方式が検討されるケースも一定数存在します。

設計施工一括発注方式(DB方式)は、設計と施工を一体で進める建設プロジェクトの発注方式の一つです。設計施工分離方式と比較すると、工程調整や責任区分の面で特徴があり、工期やコスト管理の考え方にも影響します。

工場建設では、プロジェクトの目的や条件に応じて発注方式を選択することが重要です。発注方式の特徴を理解し、プロジェクトに適した進め方を検討することが、円滑な工場建設につながります。

【重要事項】
本記事は一般的な建設発注方式の整理を目的としており、特定プロジェクトの発注方法や契約条件を保証するものではありません。個別案件については専門家および関係機関へご確認ください。

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