【設備費が高い?】工場の建設予算に占める機械・電力設備の割合とは|見積もり時に注意すべきコスト内訳

新たに工場を建設する際、多くの企業が「本体工事費」ばかりに注目しがちですが、実は設備費の占める割合が非常に大きいことをご存じでしょうか?
特に製造ライン・冷却装置・変電設備・給排気設備などを導入する場合、工場建設予算の30〜50%以上を占めるケースも少なくありません。

この記事では、工場建設における設備費の内訳と、その割合の目安、さらに設備費を想定外に膨らませないための注意点について解説します。

1. 工場建設にかかる費用の全体像とは?

まず、工場建設にかかる総費用の内訳を見てみましょう。

費用項目内容一般的な割合(目安)
建築本体工事費建屋の構造・外壁・内装など40〜50%
設備費生産設備・電気・空調・給排気など30〜50%
土地代・外構・造成など土地取得・舗装・配管・フェンスなど10〜30%

✅ 例:延床1,000㎡の製造工場を建てる場合
→ 総費用 約2.5〜3.5億円
→ そのうち 設備費は 約1億円前後にも

2. 設備費にはどんな種類がある?

工場の「設備費」といっても、その内訳は多岐にわたります。

● 主な設備項目とその内容
設備カテゴリ内容留意点
生産設備(機械)製造ライン、搬送装置、プレス機など工場用途で大きく変動
電気設備高圧受電・変圧器・分電盤・動力制御工場の動力容量次第で高額に
空調・換気設備クリーンルーム、恒温恒湿、換気扇等清浄度・温度湿度条件に応じて差
給排水・配管工業用水・純水設備・排水処理など食品・医薬系では厳格な基準あり
防災・消防設備自動火災報知・スプリンクラー等建築面積や用途によって義務あり

3. 設備費が高くなるケースとは?

以下のような場合、設備費が全体の50%近くに達することもあります:

  • 精密加工や電子部品など、高精度な製造機械を導入する場合

  • クリーンルームの導入(ISO8〜ISO5レベル)

  • 高出力の機械に対応する高圧電源・変電設備が必要な場合

  • 医薬品や食品で、GMP対応設備やHACCP準拠が求められる場合

  • 恒温恒湿・除湿・排気処理などの特殊な空調管理が必要な場合

 設備要件が高度になるほど、「建物:設備=4:6」に近づく傾向に

4. 設備費を予算内に抑えるための工夫

建設予算をオーバーしないためには、早期からの設備計画が重要です。

予算内に収めるための5つの工夫
  1. 設備要件を早期に定義し、建築設計と連携
     → 設計段階から動力・空調などを組み込む

  2. 過剰スペックを避ける
     → 過去の導入実績や第三者の評価を参考に適正化

  3. 補助金・助成制度の活用
     → ZEB、再エネ、IoT導入などで設備費の一部補助が可能

  4. 将来の拡張も想定したフレキシブル設計
     → 今必要な分だけに絞って投資する

  5. 設備業者とCM(コンストラクション・マネジメント)会社の連携
     → 機器選定〜配線・レイアウト調整まで一体化で対応

工場建設では「建物+設備」の両輪で予算管理を

工場建設における設備費は、建屋の工事費と並ぶほど重要なコスト要素です。
特に電力容量・空調要件・製造ラインなどが複雑な場合、設備費が建築費を上回ることもあります。

したがって、建設計画を立てる際には、早い段階で設備要件を整理し、建築側と連携して進めることが、予算管理と使いやすい工場づくりのポイントになります。

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