クリーンルームクラスとは?ISO基準と工場設計で求められる清浄度の考え方

半導体工場、医薬品工場、電子部品工場などでは、製造環境の清浄度を管理するためにクリーンルームが設置されます。クリーンルームとは、空気中の微粒子(パーティクル)を一定基準以下に管理した空間のことを指します。

クリーンルームの清浄度は「クラス」という基準で分類され、用途に応じて求められるレベルが異なります。工場建設では、このクラス基準に基づいて空調設備や建築仕様を計画する必要があります。本記事では、クリーンルームクラスの基本的な考え方と、工場設計との関係について整理します。

クリーンルームクラスとは

クリーンルームクラスとは、空気中に含まれる粒子数によって定義される清浄度のレベルです。現在は主に ISO14644-1 という国際規格に基づいて分類されます。

この規格では、一定体積の空気中に含まれる粒子数を基準として、クリーンルームをクラス1からクラス9までのレベルに分類します。数字が小さいほど清浄度が高い環境となります。

例えば、クラス1は非常に高い清浄度が求められる環境であり、半導体製造などの分野で使用されます。一方、クラス7やクラス8は電子部品製造や医薬品工場などで使用されることが多いレベルです。

ISO14644-1によるクリーンルームクラス

ISO規格では、粒子径ごとの粒子数によってクラスが定義されています。代表的なクラスのイメージを整理すると次のようになります。

クラス主な用途
ISOクラス1〜3半導体製造
ISOクラス4〜5精密電子部品
ISOクラス6〜7医薬品・電子部品
ISOクラス8一般的なクリーン環境

実際の設計では、対象製品や工程によって必要なクラスが決定されます。

クリーンルームの清浄度を維持する仕組み

クリーンルームでは、空気中の粒子を除去するために専用の空調設備が使用されます。主な仕組みとしては次のようなものがあります。

HEPAフィルター

クリーンルームでは、HEPAフィルターやULPAフィルターと呼ばれる高性能フィルターが使用されます。これにより空気中の微粒子を除去し、清浄な空気を供給します。

空気循環(エアフロー)

クリーンルームでは、空気の流れを制御することで粒子の拡散を防ぎます。主な方式には次のようなものがあります。

  • 層流方式(Laminar Flow)

  • 乱流方式(Turbulent Flow)

高い清浄度が求められる場合は、層流方式が採用されることがあります。

室内圧管理

クリーンルームでは、外部からの汚染物質侵入を防ぐため、室内圧を調整することがあります。一般的には、外部よりも室内圧を高くする陽圧管理が採用されます。

クリーンルーム設計で重要になる要素

クリーンルームの清浄度は、空調設備だけで決まるわけではありません。建築設計や設備計画も重要な要素になります。

建築材料

壁・天井・床の材料は発塵しにくい素材が使用されます。例えば、樹脂床材やパネル構造の壁などが採用されるケースがあります。

人の動線管理

人の移動は粒子発生の原因になるため、クリーンルームでは動線管理が重要になります。エアシャワーや前室(エアロック)などが設置されることもあります。

設備配置

製造設備の配置やメンテナンス動線も清浄度維持に影響します。設計段階で設備配置を計画することが重要になります。

クリーンルーム設計で見落とされやすいポイント

クリーンルームの設計では、設備仕様だけでなく次のような要素も重要になります。

  • 空調設備容量

  • フィルター交換計画

  • メンテナンス動線

  • 建物気密性能

これらを総合的に計画することで、安定した清浄度を維持することが可能になります。

クリーンルームクラスは、製造環境の清浄度を示す重要な指標であり、工場設計では製品や工程に応じたクラス設定が必要になります。クリーンルームの清浄度は、空調設備だけでなく建築設計、設備配置、動線管理などさまざまな要素によって維持されます。

特に半導体、医薬品、電子部品などの分野では、クリーンルーム設計が工場計画の重要な要素となります。そのため、建築計画と設備計画を一体で検討することが求められます。

【重要事項】
本記事はクリーンルームクラスの一般的な考え方を整理したものであり、特定施設の清浄度基準や設備仕様を保証するものではありません。個別案件については専門家および関係機関へご確認ください。

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