金属加工工場における防塵・防油仕様の内装設計とは?

なぜ「防塵・防油仕様」が重要なのか

といった問題が発生します。
したがって、防塵・防油を前提にした内装設計は、
「安全性」「品質」「維持管理コスト」の3つを守るための必須条件です。

1. 内装材選定のポイント

■ 床材:防滑性+耐油性+メンテナンス性

金属工場では、フォークリフト走行やオイル滴下が頻繁にあるため、
耐荷重3t/m²以上・耐薬品性・ノンスリップ性能を備えた床材を採用します。

  • Uクリート(ポリウレタンセメント)
  • 耐油防滑タイル(重荷重対応)

💡 CM視点のTIP:

下地コンクリートの含水率と塗膜厚を事前に確認することで、
剥離・膨れなどの施工不良を防止できます。

■ 壁・天井材:防汚・耐腐食・清掃性

  • 壁:不燃アルミ複合パネル、ステンレス鋼板、抗菌塗装仕上げ
  • 天井:粉じん付着防止の平滑パネル+点検口付き構造
  • 仕上げ:コーキング部の油分耐性(シリコン系ではなくフッ素系推奨)

📌 メンテナンスを考慮した素材選びが、長期的なコスト削減につながります。

2. 換気・防塵設計の基本構成

金属加工工場では、一般的な換気だけでは油ミストの捕集が不十分です。
以下の3段階構成を取ることで、作業環境を安定的に保つことができます。

段階設備目的
第1段階オイルミストコレクター各機械からの油煙を直接捕集
第2段階局所排気+ダクト配管含油粉じんを外部へ排出
第3段階全体換気+負圧制御クリーンエリアと加工エリアを分離管理

💡 加工ラインと通路の間に「負圧ゾーン」を設けることで、油臭やミストが清潔エリアへ流入するのを防げます。

3. 火災・防爆対策を考慮した内装構造

金属粉やオイルミストが可燃性の場合、発火・爆発リスクが発生します。
そのため、防塵・防油設計では以下の要件が重要です。

  • 不燃材・難燃材の使用(天井・壁・床下配線ダクトを含む)
  • 防爆対応照明・配線・コンセント
  • 排気ファンのスパークレス仕様
  • 消火設備(粉末・CO₂)の配置計画

📋 注意点:

改修時に配線・ダクト経路が変更される場合は、
消防署への防火対象物変更申請が必要です。

4. 清掃・点検を前提とした設計

工場の維持管理のしやすさは、長期運用コストに直結します。

  • 壁面はモジュール化されたパネル構造で定期清掃が容易
  • 天井は点検口+脱着式パネル構造で設備保守性を確保
  • 床排水はV字スロープ+防油グレーチング仕様を採用

また、排水トラップに油が滞留しないような勾配設計も重要です。
こうしたディテールの積み重ねが、実際の維持管理コストを大幅に削減します。

5. 建設マネジメント(CM)の役割

金属加工工場は、建築・機械・電気・安全管理が複雑に絡み合う施設です。
CM会社がプロジェクトを統括することで、以下のメリットが得られます:

  • 設計者と設備メーカーの調整負担を軽減
  • 油ミスト・粉塵対策の整合性を設計段階で確保
  • コスト・スケジュール・安全管理を一元化
  • 稼働中の工場でも段階施工でリノベーションが可能

💡 事例紹介:

弊社が担当した金属加工工場リニューアルでは、
壁材の変更とオイルミスト専用換気設備の導入により、
清掃時間を40%削減、労働災害件数をゼロに抑えることができました。

防塵・防油設計は「安全と効率の投資」

観点設計の要点
安全性不燃材+防爆設備+滑り防止床
衛生・清掃性平滑な壁材・脱着式天井・防油排水
維持管理点検性・清掃性・配線アクセス性の確保
作業効率換気動線・照明配置・設備間距離の最適化

防塵・防油仕様の内装設計は、
“油汚れに強い”という見た目以上に、作業環境と企業価値を守る投資です。

HiLant(ハイラント)では、
金属加工・機械加工工場における設計・VE提案・工事マネジメントまで、
一貫したサポートを提供しています。

「老朽化した工場の更新を検討している」
「油ミストや粉塵で設備トラブルが多い」
という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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