
クリーンルームを導入する際、最も気になるのが「どれくらいのコストがかかるのか?」という点。
しかし、清浄度の等級(ISOクラス)によって設備仕様や構造要件が大きく異なり、建設費も大きく変動します。
この記事では、ISO5〜ISO8クラス別の仕様の違いと坪単価の目安をわかりやすく整理し、
初めてクリーン環境を導入する方にも参考になるよう解説します。
そもそもISOクラスとは?
ISO14644-1に基づき、空間内の粒子数(0.1μm以上)を基準に清浄度が分類されます。
クラスが小さいほど高性能で、要求される空調設備・構造・運用ルールが厳しくなるのが特徴です。
ISOクラス別 クリーンルーム建設コストの比較表
| ISOクラス | 清浄度の目安 | 主な用途 | 坪単価の目安(建設コスト) |
|---|---|---|---|
| ISO5 | 3,520個/m³(0.5μm粒子)以下 | 無菌充填、半導体露光工程、無菌医薬製造など | 90〜150万円/坪 |
| ISO6 | 35,200個/m³以下 | 精密部品組立、無菌エリアへの前室 | 60〜90万円/坪 |
| ISO7 | 352,000個/m³以下 | 医薬品秤量室、化粧品包装、電子部品工程 | 40〜70万円/坪 |
| ISO8 | 3,520,000個/m³以下 | 検査室、倉庫、食品包装など | 25〜45万円/坪 |
※上記はS造・2階建て以下の一般的な平屋工場を前提とした実績ベースの概算。
※恒温恒湿、陰圧制御、防爆設計などの仕様により±20〜30%増減する可能性あり。
※設計費、空調ユニット、HEPA・ULPAフィルター、ダクト、電気工事、内装、制御盤含む。
等級が上がるほど何が変わる?
| 比較項目 | ISO5〜6(高等級) | ISO7〜8(標準等級) |
|---|---|---|
| 空調方式 | 層流(単方向流)中心 | 混合流(乱流)中心 |
| フィルター構成 | HEPA+ULPAの二重濾過構成 | HEPA単体またはプレフィルター併用 |
| 換気回数(ACH) | 150〜300回/h | 20〜60回/h |
| 圧差制御 | 厳密な多段階制御(+25→+15→+5Pa) | 一段または簡易圧制御 |
| 床・壁・天井材 | 無菌・抗菌パネル、気密シーリング仕様 | 樹脂系パネルまたは塗装仕上げ |
| 計測・監視システム | 常時粒子・温湿度・室圧モニタリング | 簡易ログまたは定期測定 |
注意点:ISO5以上は「仕様の積み上げ」がコストを押し上げる
ISO5クラスは空気清浄度のレベルが100倍厳しいため、
HEPA・ULPAの2重設置
エアシャワー・前室・陽圧管理
製品と作業者の隔離設備(アイソレータなど)
が必須となり、構造・機器・運用全体の品質が求められます。
逆に、ISO8クラスでは食品・一般電子部品等に多く、
「モジュール式クリーンルーム」や「既存倉庫の改修型」での導入も可能です。
まずは用途と求める清浄度の明確化が第一歩
クリーンルームのコストは一律ではなく、
どの工程にどのレベルの清浄度が必要かを明確にすることで、無駄な設備投資を防げます。
特に「一部エリアのみISO5レベルで十分」というケースも多いため、
ゾーン分け(ゾーニング)と空調設計の工夫で、コスト最適化が可能です。
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