工場の井戸水は専用水道に該当する?2026年4月のPFAS水質基準化で確認すべきこと

「工場で井戸水を使っているが、専用水道に該当するのか分からない」
「従業員数が100人を超えると、すぐ専用水道になるのか」
「井戸水を飲用や手洗いに使っている場合、どのような管理が必要なのか」
「2026年4月からPFASが水道水質基準になったことで、工場側も検査が必要になるのか」
「新工場建設や既存工場の改修時に、井戸水利用をどう考えればよいのか」

工場では、上水道だけでなく、井戸水を利用しているケースがあります。用途はさまざまで、製造用水、冷却水、洗浄水、トイレ用水、散水、手洗い、食堂、浴場、社宅、寮などに使われることがあります。

ここで注意したいのは、井戸水を使っているからといって、すべてが直ちに「専用水道」に該当するわけではないという点です。一方で、飲用、炊事、浴用、手洗いなど、人の生活の用に供する水として一定規模以上に供給している場合は、水道法上の専用水道に該当する可能性があります。

特に誤解しやすいのが、「100人」という基準です。水道法上の専用水道では、「100人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの」という要件があります。これは、通勤する従業員数ではなく、社宅や寮などに居住する人に必要な水を供給する場合の考え方です。

そのため、一般的な工場では、通勤する従業員が100人を超えているかどうかよりも、飲用、炊事、手洗い、浴用などの生活用水として、一日最大給水量が20㎥を超えるかどうかが主な判断軸になります。

さらに、2026年4月1日から、PFOS・PFOAが水道水質基準項目に追加されました。PFOS・PFOAはPFASの代表的な物質で、水道水では合算値で50ng/L以下という基準が定められています。なお、この数値は2020年から水質管理目標設定項目として設定されていた暫定目標値と同じですが、2026年4月から水道水質基準項目として法的な位置付けが変わっています。

そのため、工場で井戸水を使用している場合は、単に「地下水だから安い」「昔から使っているから問題ない」と考えるのではなく、専用水道に該当するか、飲用・生活用水として使用しているか、PFOS・PFOAを含む水質検査が必要かを確認することが重要です。

本記事では、工場の井戸水利用が専用水道に該当する可能性、2026年4月のPFAS水質基準化で確認すべきこと、工場建設・改修時に発注者が押さえるべきポイントを解説します。

専用水道とは何か

専用水道とは、水道事業の用に供する水道以外の水道で、一定規模以上の人に水を供給する施設を指します。一般的には、寄宿舎、社宅、病院、学校、工場、事業所などで、自家用の水道施設として設けられるものが対象になり得ます。

専用水道に該当する代表的な基準は、以下の通りです。

判断項目内容
居住者数100人を超える者に、その居住に必要な水を供給するもの
一日最大給水量人の飲用、炊事用、浴用その他人の生活の用に供する一日最大給水量が20㎥を超えるもの
水源井戸水、湧水、表流水、水道水受水など
用途飲用、炊事、浴用、手洗い、生活用水など
注意点井戸水を水源に含む場合は、受水槽容量や導管長による除外基準では整理できない場合がある

ここでいう「100人を超える者」は、工場に通勤する従業員数そのものではありません。「その居住に必要な水」を供給する場合の人数であり、社宅や寮などの居住者が対象になります。

一方、工場で問題になりやすいのは、生活用水としての一日最大給水量です。飲用、炊事、手洗い、浴用など、人の生活の用に供する水が一日最大20㎥を超える場合は、専用水道に該当する可能性があります。

つまり、工場で井戸水を使用している場合でも、製造用水だけに使っているのか、従業員の飲用・手洗い・浴場・食堂などにも使っているのかによって、確認すべき内容が変わります。

工場の井戸水がすべて専用水道になるわけではない

工場で井戸水を使っている場合でも、すべてが専用水道に該当するわけではありません。例えば、井戸水を製造工程の冷却水、設備洗浄、散水、トイレ洗浄水などに限定して使用し、人の飲用、炊事、浴用、手洗いなどに使用していない場合は、専用水道に該当しない可能性があります。

一方で、井戸水を従業員の飲用水として使用している、食堂や厨房で使っている、手洗い水として使っている、浴室やシャワーで使っている、社宅や寮に供給している場合は、専用水道に該当するかどうかを確認する必要があります。

判断のポイントは、「井戸水を使っているか」ではなく、「人の生活の用に供する水として、どの規模で供給しているか」です。

井戸水の用途専用水道確認の必要性
製造用水のみ専用水道に該当しない場合があるが、用途確認は必要
冷却水のみ飲用・生活用水でなければ別管理となる場合がある
散水・清掃用水のみ専用水道以外の水利用として整理する場合がある
手洗い・食堂・浴場で使用生活用水の一日最大給水量の確認が必要
従業員の飲用水として使用専用水道・飲用井戸としての確認が必要
社宅・寮へ供給居住者数や給水量により専用水道の可能性がある

工場では、配管が複雑になっていることがあります。過去の改修で、井戸水配管と上水道配管が分かりにくくなっている場合もあります。そのため、まずは井戸水がどこへ供給されているのかを確認することが重要です。

専用水道に該当する場合に必要となる管理

工場の井戸水利用が専用水道に該当する場合、水道法に基づく管理が必要になります。専用水道では、布設工事、給水開始、変更、廃止などに際して、自治体への申請や届出が必要になる場合があります。また、水質検査、施設管理、消毒、衛生管理、水道技術管理者の設置などが求められます。

自治体によって申請様式、提出先、指導内容が異なるため、工場所在地の保健所や担当部局へ確認する必要があります。専用水道に該当する場合に確認すべき主な項目は、以下の通りです。

確認項目内容
施設区分専用水道に該当するか
水源井戸水、上水道、併用か
給水対象従業員の飲用・手洗い、食堂、浴場、社宅、寮など
一日最大給水量生活用水として20㎥を超えるか
居住者数100人を超える者に居住に必要な水を供給するか
水質検査水質基準項目に基づく検査が必要か
消毒設備塩素消毒などの設備が必要か
管理体制水道技術管理者、点検記録、異常時対応
行政手続き布設工事、給水開始、変更、廃止の申請・届出

専用水道に該当するかどうかは、施設の規模、用途、配管構成、自治体の運用によって判断が分かれる場合があります。工場建設や改修の早い段階で確認しておくことが重要です。

2026年4月からPFOS・PFOAが水道水質基準項目に追加

2026年4月1日から、PFOS・PFOAが水道水質基準項目に追加されました。PFOS・PFOAは、有機フッ素化合物であるPFASの一種です。水や油をはじく性質などから、過去にさまざまな用途で使用されてきました。現在は規制が進んでいますが、環境中で分解されにくく、地下水や河川水から検出されることがあります。

水道水の基準では、PFOSとPFOAの合算値で50ng/L以下と定められています。この50ng/Lという数値は、2020年に水質管理目標設定項目として設定された暫定目標値と同じです。ただし、2026年4月からは水道水質基準項目に追加され、専用水道を含む対象施設で検査や基準遵守が求められる点が重要です。

PFOS・PFOAの検査頻度は、おおむね3か月に1回以上が基本とされています。ただし、専用水道や簡易水道では、条件を満たす場合に検査頻度を半年に1回、または1年に1回まで減らせる場合があります。実際の検査頻度は、施設区分や水源、過去の検査結果、自治体の運用によって異なるため、所管行政庁へ確認が必要です。

工場で井戸水を専用水道として利用している場合は、PFOS・PFOAが水質検査項目として関係する可能性があります。

PFAS水質基準化で工場が確認すべきこと

PFOS・PFOAが水道水質基準項目に追加されたことで、工場で井戸水を使っている場合は、以下の点を確認する必要があります。

まず、井戸水が飲用・生活用水として使われているかを確認します。製造用水や冷却水だけでなく、手洗い、食堂、厨房、浴室、シャワー、休憩室、社宅、寮などに供給されていないかを確認します。

次に、専用水道に該当するかを確認します。生活用水としての一日最大給水量、社宅・寮の居住者数、水源、配管、受水槽、消毒設備、給水先を整理し、自治体へ確認します。

さらに、PFOS・PFOAの検査が必要かを確認します。専用水道に該当する場合は、水道水質基準項目としてPFOS・PFOAへの対応が必要になります。専用水道に該当しない飲用井戸であっても、自治体の飲用井戸指導要綱や衛生管理指導の対象となる場合があります。

確認項目発注者が確認すべき内容
井戸水の用途飲用・手洗い・食堂・浴場に使っているか
給水先工場内、事務所、食堂、社宅、寮に供給しているか
生活用水量飲用・炊事・手洗い・浴用等の一日最大給水量が20㎥を超えるか
居住者数社宅・寮などの居住者が100人を超えるか
施設区分専用水道、飲用井戸、雑用水、製造用水のどれか
PFOS・PFOA検査水質基準項目として検査対象になるか
異常時対応基準超過時の代替水源、使用停止、周知方法
改修計画配管分離、上水切替、浄水設備追加の要否

PFASへの対応は、単に水質検査を一度行えば終わるものではありません。水源、配管、用途、管理体制、代替水源まで含めて検討する必要があります。

製造用水と飲用・生活用水を分けて考える

工場の井戸水利用で重要なのは、製造用水と飲用・生活用水を分けて考えることです。

製造用水として井戸水を使う場合でも、それがそのまま従業員の飲用水や手洗い水、食堂、浴室に供給されているとは限りません。一方で、古い工場では、井戸水が広い範囲に配管され、どこで何に使われているか不明確になっていることがあります。

専用水道やPFAS対応を検討するうえでは、まず用途ごとに水を整理する必要があります。

用途確認すべきこと
製造用水製品に接触するか、洗浄に使うか、品質基準があるか
冷却水開放系か密閉系か、従業員が接触するか
洗浄水食品・医薬品・精密部品に接触するか
手洗い水従業員の衛生管理に使うか
食堂・厨房飲用・調理に使うか
浴室・シャワー従業員の生活用水に該当するか
トイレ洗浄水飲用・生活用水とは別管理できているか
社宅・寮居住者への給水に該当するか

特に食品工場では、井戸水が製品や原材料、容器、手洗いに関係する場合があります。食品衛生上の管理と、水道法上の管理が重なることもあるため、保健所や専門家への確認が重要です。

井戸水を使う工場で起こりやすいリスク

井戸水は、水道料金の削減や大量利用に適している場合があります。しかし、工場で井戸水を利用する場合には、いくつかのリスクがあります。

1つ目は、水質変動です。地下水の水質は、季節、周辺環境、揚水量、地質、近隣の土地利用によって変化することがあります。鉄、マンガン、硬度、硝酸態窒素、細菌、PFASなど、用途によって問題となる項目が異なります。

2つ目は、管理責任です。上水道とは異なり、井戸水を自社で利用する場合は、検査、消毒、設備維持、異常時対応を自社側で管理する必要があります。

3つ目は、用途混在です。製造用水、雑用水、飲用水が配管上で分かりにくくなっていると、衛生管理や水質管理の責任範囲が曖昧になります。

4つ目は、行政手続きです。専用水道に該当する場合、布設工事、給水開始、変更、廃止について申請や届出が必要になることがあります。無届や管理不足が後から発覚すると、工場改修や増築時に問題になる可能性があります。

新工場建設時に確認すべきこと

新工場で井戸水を利用する場合は、設計初期から水源計画を整理する必要があります。まず、井戸水を何に使うのかを明確にします。製造用水、冷却水、洗浄水、トイレ用水、散水、飲用、手洗い、食堂、浴場など、用途ごとに整理します。

次に、飲用・生活用水に使うかどうかを決めます。井戸水を飲用・生活用水に使う場合は、専用水道該当性、水質検査、消毒設備、管理体制、PFOS・PFOA対応を早めに確認する必要があります。

一般的な工場では、通勤する従業員数よりも、飲用・炊事・手洗い・浴用などの生活用水が一日最大20㎥を超えるかどうかが重要な判断軸になります。一方、社宅や寮を併設する場合は、居住者数が100人を超えるかどうかも確認が必要です。

飲用・生活用水は上水道、製造用水は井戸水というように分ける方法もあります。この場合は、配管分離、逆流防止、誤接続防止、表示、点検口、管理区分を明確にする必要があります。

新工場では、次の項目を設計条件として整理することが重要です。

  • 井戸水の使用用途

  • 飲用・生活用水への使用有無

  • 生活用水としての一日最大給水量

  • 社宅・寮の居住者数

  • 水質検査項目

  • 消毒・ろ過・除鉄・除マンガン設備の要否

  • PFOS・PFOA検査の要否

  • 上水道との併用方法

  • 配管分離と誤接続防止

  • 異常時の代替水源

井戸水利用は、建築設備だけでなく、保健所、環境部局、食品衛生、製造品質、BCPにも関係します。建設計画の初期段階で、関係者を含めて検討することが重要です。

既存工場の改修時に確認すべきこと

既存工場で井戸水を使っている場合は、改修時に現況調査を行うことが重要です。古い工場では、図面が残っていない、井戸水配管と上水道配管の区別がつかない、過去の増改築で配管ルートが変更されている、使用していない井戸が残っている、といったケースがあります。

特に、手洗い、食堂、浴室、休憩室、社宅、寮へ井戸水が供給されている場合は、専用水道や飲用井戸としての管理状況を確認する必要があります。

既存工場の改修時には、以下を確認します。

確認項目内容
井戸の有無現在使用中か、休止中か、廃止済みか
配管ルートどこへ供給されているか
用途製造用、生活用、雑用、飲用の区別
生活用水量一日最大20㎥を超える可能性があるか
居住者数社宅・寮の居住者がいるか
水質検査履歴過去の検査結果、PFOS・PFOA検査の有無
行政手続き専用水道の申請・届出状況
設備状態ポンプ、受水槽、消毒設備、ろ過設備
上水道との接続クロスコネクションや逆流リスクの有無
改修方針上水切替、配管分離、浄水設備追加、井戸廃止

改修工事では、井戸水配管を触ることで、これまで見えていなかった管理上の課題が明らかになることがあります。工事直前ではなく、基本計画段階で調査することが望ましいです。

PFOS・PFOAが基準を超えた場合の考え方

井戸水や専用水道でPFOS・PFOAが基準を超えた場合、まずは使用用途を確認する必要があります。飲用水や手洗い、食堂、浴場など、人の生活の用に供する水として使用している場合は、速やかに自治体や専門家へ相談し、代替水源、使用制限、周知、水質再検査、浄水設備、上水道への切替などを検討する必要があります。

製造用水として使用している場合でも、食品、医薬品、化粧品、精密部品洗浄など、製品品質や衛生管理に関係する場合は、品質管理部門や所管機関への確認が必要になる場合があります。

PFOS・PFOAの基準超過が確認された場合に考えられる対応は、以下の通りです。

  • 飲用・調理への使用停止

  • 上水道や給水車など代替水源の確保

  • 従業員や利用者への周知

  • 再検査・継続監視

  • 活性炭処理など浄水設備の検討

  • 配管分離・用途制限

  • 井戸の使用停止・廃止

  • 行政機関への相談

水質基準値の50ng/Lは、体重50kgの人が生涯にわたり毎日2L飲用しても、健康に悪影響が生じないと考えられる値として設定されています。基準超過時には、過度に不安をあおるのではなく、行政機関の指導を受けながら、使用用途とリスクに応じて対応することが重要です。

発注者が設計者・施工者へ確認すべきこと

工場建設や改修で井戸水を扱う場合、発注者は設計者や施工者へ次の点を確認しておく必要があります。

  • 井戸水をどの用途に使う計画か

  • 飲用・手洗い・食堂・浴場に使うか

  • 生活用水として一日最大20㎥を超える可能性があるか

  • 社宅・寮の居住者数が100人を超える可能性があるか

  • 専用水道に該当する可能性があるか

  • 自治体への事前相談は必要か

  • PFOS・PFOAを含む水質検査を実施するか

  • 水質検査結果を設計にどう反映するか

  • 上水道と井戸水の配管をどう分けるか

  • 誤接続や逆流をどう防ぐか

  • 基準超過時の代替水源をどう確保するか

  • 将来の増築や用途変更時に対応しやすい計画か

特に、井戸水を飲用・生活用水に使用する場合は、設計者だけでなく、保健所、自治体の水道担当部局、食品衛生担当、環境部局、設備業者、水質検査機関を含めて確認することが重要です。

CM方式を活用した井戸水・PFAS対応の進め方

工場の井戸水利用は、建築設備、衛生管理、製造品質、行政手続き、環境リスク、BCPが関係します。発注者だけで全体を整理するのは難しい場合があります。CM方式を活用することで、発注者の立場から、井戸水の使用目的、専用水道該当性、PFOS・PFOA検査、配管分離、上水道との併用、浄水設備、改修範囲、工事費、工程影響を整理しやすくなります。

例えば、新工場建設では、井戸水を製造用水に限定するのか、生活用水にも使うのかを基本計画段階で整理します。その際、生活用水としての一日最大給水量、社宅・寮の居住者数、上水道との併用方法を確認します。

既存工場の改修では、井戸、受水槽、配管、消毒設備、水質検査履歴を調査し、改修範囲や行政手続きを確認します。

また、PFOS・PFOAの検査結果によっては、上水道への切替、浄水設備の追加、配管分離、用途制限、工程変更が必要になる場合があります。これらはコストや工期に影響するため、早めに検討することが重要です。

CM会社は、専用水道該当性、水質基準適合、PFOS・PFOAの除去性能、法令適合を保証する立場ではありません。しかし、発注者側の視点で関係者との確認事項を整理し、設計・施工・行政相談・コスト管理を進めやすくする役割を担うことができます。

発注者が確認すべきチェックリスト

工場で井戸水を使用する場合、発注者は以下の項目を確認しておくと、専用水道やPFAS対応の見落としを防ぎやすくなります。

確認項目チェック内容
井戸水の用途製造用水、生活用水、飲用水、雑用水を区分したか
給水先食堂、手洗い、浴場、社宅、寮に供給していないか
生活用水量飲用・炊事・手洗い・浴用等で一日最大20㎥を超えるか
居住者数社宅・寮の居住者が100人を超えるか
専用水道該当性生活用水量・居住者数・水源・施設構成を確認したか
行政相談保健所・自治体担当部局へ確認したか
水質検査一般項目に加え、PFOS・PFOAの検査要否を確認したか
検査頻度PFOS・PFOA検査の頻度を自治体へ確認したか
配管分離上水道と井戸水の誤接続を防ぐ計画か
消毒・浄水消毒設備、ろ過、除鉄、除マンガン等の要否を確認したか
基準超過時対応代替水源、使用制限、周知方法を決めたか
既存図面井戸水配管の現況図を整備したか
改修範囲配管更新、上水切替、井戸廃止の範囲を整理したか
BCP上水断水時・井戸使用停止時の対応を検討したか

このチェックリストは、新工場建設だけでなく、既存工場の改修、食品工場、精密工場、社宅・寮を持つ工場、地下水を利用する物流施設にも活用できます。

工場の井戸水は用途と生活用水量から確認する

工場で井戸水を使用している場合、それだけで直ちに専用水道に該当するわけではありません。しかし、井戸水を飲用、炊事、浴用、手洗い、社宅・寮など人の生活の用に供する水として一定規模以上に供給している場合は、専用水道に該当する可能性があります。

特に注意すべきなのは、「100人」の基準は通勤する従業員数ではなく、社宅や寮などの居住者に必要な水を供給する場合の基準だという点です。一般的な工場では、飲用・炊事・手洗い・浴用などの生活用水が一日最大20㎥を超えるかどうかが、主な判断軸になります。

専用水道に該当する場合は、水質検査、消毒、管理体制、行政手続きが必要になります。2026年4月1日からは、PFOS・PFOAが水道水質基準項目に追加されており、専用水道においてもPFOS・PFOAに関する検査と基準遵守が求められます。

また、PFOS・PFOAの合算50ng/Lという数値は、2020年からの暫定目標値と同じですが、2026年4月から水道水質基準項目となったことで、検査や基準遵守の位置付けが変わっています。

工場の井戸水利用では、まず井戸水の用途を整理することが重要です。製造用水なのか、生活用水なのか、飲用水なのか、手洗いや食堂に使っているのかを確認し、生活用水量や居住者数を把握する必要があります。

新工場建設や既存工場の改修で井戸水を利用する場合は、設計初期の段階で、設計者、施工者、自治体、保健所、水質検査機関、CM会社と連携し、専用水道該当性とPFAS対応を確認しておくことが、後の手戻りや操業リスクを抑えるポイントになります。

【重要事項】

本記事は、工場における井戸水利用、専用水道該当性、PFOS・PFOAを含むPFAS水質基準化、水質検査、工場建設・改修時の確認事項に関する一般的な考え方を整理したものであり、特定案件の水道法適合、専用水道該当性、水質基準適合、PFAS除去性能、飲用可否、設計品質、施工品質、費用、工期を保証するものではありません。専用水道の該当性、飲用井戸の扱い、水質検査項目、PFOS・PFOA対応、行政手続き、必要な設備は、井戸水の用途、生活用水としての一日最大給水量、社宅・寮等の居住者数、施設構成、配管状況、自治体の運用によって異なります。個別案件については、所管行政庁、保健所、水道担当部局、環境部局、設計者、施工者、水質検査機関、設備業者、CM会社および専門家へご確認ください。

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